体だけでなく利用者の心もケアも

介護施設や通所介護事業所などで利用者の身体介護を担当するだけでなく、一人ひとりの利用者が不安なく暮らせるようサポートする役割も介護士には期待されています。
特に、うつ病や認知症などの問題を抱えている利用者の悩みを聞いたり、明るく生活を送れるよう助言をしたりするにはメンタルケアに関する基本的なスキルを身につけることが不可欠です。

介護士のメンタルケアの習得に取り組んでいる事業所では、年に数回の精神科医や臨床心理士など専門家による研修を実施して、それぞれの介護士が個々の利用者に上手く対応できるよう支援を行っているところが多くあります。
また、事業所によっては介護サービスの質の向上のため、メンタルケアに関する研修を受講した人や資格を持つ人を対象に特別手当を支給したり、役職を与えたりしているところもあります。

メンタルケアを実践するには、コミュニケーションや傾聴、声掛けの仕方など様々な知識や技術が必要となります。
そのため、介護現場で自信をもってメンタルケアをしたい人は、職場で研修を受けるのはもちろんのこと、仕事終わりや休日を使って自主的に勉強会に参加をするのも有効です。

なお、メンタルケアの必要性については、勤務先の事業内容や利用者の人数、日々の利用者とスタッフとの関わり方などによって大きく異なります。
そこで、求職中に様々な事業所のメンタルケアの取り組みに目を向けて、将来的に安心して働ける職場を見つけることが大事です。

仕事を長く続けるためのコツ

介護士は利用者のメンタルにも注意しなければならない仕事ですが、その一方で仕事を長く続けるためには自分自身のメンタルケアも大切になってきます。
ストレスを感じながら仕事をしていると、職場をやめたくなってしまったり、仕事が嫌いになってしまったりするからです。

それを避けるために、ストレスが溜まったら自分に合った発散方法を見つけることが必要になります。
友達や家族に話を聞いてもらってイライラを解消したり、思い切り体を動かしてリフレッシュしたりするのもいいでしょう。
自分が楽しいと思えることを積極的に取り入れてみると、次の日からまた仕事を頑張る気持ちがわいてくるはずです。
最近疲れたと思っている方は早めにメンタルケアを実践してみましょう。

また、職場で信頼関係を築いていくというのも仕事を長く続けるためのコツになります。
一緒に働いている仲間と親しくなれば、毎日の仕事も楽しいですよね。
あまり親しくなっていないという場合は、自分から同僚に話しかけてみたり、仕事を手伝ったりするといいでしょう。
仕事で嫌なことがあっても、同僚に相談に乗ってもらえるようになるかもしれません。

そして、職場に対する不満が多くなったり、転職を考えるようになったりするのであれば、本格的に転職活動をスタートさせてみるのも仕事を長続きさせるためのコツになるでしょう。
仕事を続けるというのは、何も一つの職場に留まるということだけではありません。
介護士として働き続けるということが大切なので、働きやすい職場を見つけましょう。